眠っている「ジャパンヴィンテージ」?

以前、ギターを買うなら楽器店で!という話を書きました。

>> 初めてギターを買うときの注意点

 

そこで、「リサイクルショップなどには、状態の悪い楽器が平然と売られている場合がある」というようなことを書きました。

なので、そういう所で初心者が買うのは危険です。

 

ただ、そういうところに、意外な掘り出し物があったりすることもまた事実でして・・・

 

とはいえ、やはり初心者の方にはすすめられない・・・という、何とも複雑な事情がやはりありまして。

 

 

というのは、先日ギターレッスンに来られた初心者のが、そういうことを知らずに、1000円程度で購入したというギターを持って来られたんですね。

で、そのギターはいろんな意味で、すごいギターだったわけです。

 

ギターのボディの内側…つまり、正面の穴を覗き込むと、そこには大抵シールが貼ってあります。

メーカー名、型番、製造年などを示す…が書いてある場合がほとんどです。

 

ちなみに、そのシールに書いてあるメーカー名は「YAIRI」でした。

YAIRIにはいろんなギターというか歴史があって、正直、最近よく出回っている安いS・YAIRIの入門編ギターは、あまりお勧めしていません。

昔のS・YAIRIとは別物と考えてもらったほうがいいかもしれません。
(K・YAIRIとも別物です。)

特に初心者の方は、ベテランの方が「YAIRI」と書かれたいいギターを持っているからといって、最近の廉価版S・YAIRIと同じ系列のものだと勘違いなさらないよう、注意が必要だと思います。

※YAIRIギターの様々な経緯などについてはウィキペディアでヤイリギターを調べてみると概要が出ています。

 

 

で、話を戻しますと、そのギターは1965年か66年か…どっちだったか忘れてしまいましたが、その頃作られたK・YAIRIのクラシックギターです。

国産ハンドメイドです。

 

決して高級品というわけではなく、値段もそんなに高くなかったものだろうとは思うんですが・・・

 

でもとにかく、弾いてみたら、とてもいい音がしたんです。

よく言われる「鳴りがいい」ギター、という印象でした。

ボディがよく共鳴して、大きな音でよく響く、ボディ内部でも音が響いてリバーブがかかったような音。

 

弦はおそらく何年も換えていないものでしょう。リサイクルショップに売りに出されて以来、もしかしたら10年以上経過しているかもしれません。

なので、とてもまともな音が出るような弦の状態ではないんですが、それを差し引いても、よく鳴るギターだな、という印象でした。

これで新しい弦に張り替えたりしたら、もっと凄い音になるぞ、と・・・

 

ただ、やはり長年放置されていたためでしょう、問題点がいろいろ。

まず、ペグ(弦を巻く糸巻きの部分)が固すぎて回しづらくなっていました。

なので、チューニングがまともにできず、結局完全に合わせることはできませんでした。

シャフト部分も歪んでしまっているし、無理に回そうとすれば折れたり、ともすると本体にも傷をつけかねません。

 

その部分を交換できれば、使えるようになるかもしれませんが、取り付けてあるネジ穴や直接弦が巻かれている部分の状態や・・・

特にクラシックギターは詳しくないのでわかりませんが、プロのリペアマンに見て調べてもらわないと、直すことができるものかどうかはわかりません。

 

ただ、よくある「ネックの反り」や「ブリッジの部分の剥がれ・変形」などは、やましんが見た限りでは見られませんでした。

かなり長い間放置されていたギターとは思えないほど、接着部分などの損傷は見られなかったのです。

 

 

この頃の国産ギターは、「ジャパン・ヴィンテージ」などと呼ばれ、実はとても品質のいいものがたくさんあったという話です。

3万円前後の廉価版、初心者向けギターでさえ、しっかりと職人による手作りで作られたものであったり、質のよい木材が使用されていたり。

もちろん、そういうものばかりではなく、ひどい造りのものもありますから、何でもかんでも「当時の国産は良い」とは言いきれないんですが。

 

とにかく、そのYAIRIのクラシックギターは、しっかりした造りで、材質もおそらくよいものが使われているようです。

ギターの木材は、長い時間を経ることによって乾燥がジワジワ進み、音がより響くようになる、と言われています。

そのギターは約50年もののビンテージ、いい具合に音が響くようになっていたのでしょう。

 

ただ、それはきちんと弾いていてこそ、つまり音を鳴らしてボディを振動させ続けることで良くなる、と言われています。

そのギターはおそらく長い間誰にも弾かれなかったはず。

にもかかわらずあれだけ音が響いていたのですから、これから弾き続ければ、もっといい音に変わっていく可能性があります。

 

いや〜、実にもったいない。

持ち主の方には、「まず楽器屋に持っていって、リペアできるかどうかを確認してもらってください!」と強く勧めておきました。

 

ご本人としては、タダ同然で手に入れたギター、別に捨てるのは惜しくないのかもしれません。

それに、修理代に2万も3万もかかるようなら、新品を買った方がいい、と思うことでしょう。

 

ただ、今3万円で新品を買ったとしても、このレベルのギターは買えないんじゃないでしょうかね・・・

そう考えると、やはりもったいない。

直って欲しいです。

 

 

まぁとにかく、そんなふうに、リサイクルショップなどには、壊れた逸品、ビンテージギターが眠っている場合もあるのです。

ただ、これは以前のページにも書いた通り、ちゃんと直さないと使えないわけですから、初心者の方には無理です。

どこをどう直せばいいのか、どこが壊れているのか、わからない場合が多いと思いますんで。

 

改めて、もったいない話。

リサイクルショップや質屋、一般家庭の倉庫などに眠っている、隠れた逸品、救済してもらいたいものですね。

 

あと、やっぱり楽器は大切に扱ってほしいです!