ライブの集中力(迫水秀樹さんのライブを観て)

先日、福井市にある「LIVE & BAR 13」に、ライブを観に行ってきました。

その日は地元福井のミュージシャン数組と、シンガーソングライター迫水秀樹さんのライブ。

 

迫水秀樹さんは、路上ライブをしながら世界90カ国を旅したミュージシャンです。

初めて彼を知ったのは、京都の「モダンタイムス」でのライブの時。

 

その頃、やましんはまだ京都でのライブ活動を始めて間もない頃でした。

県外での経験も浅く、そもそも弾き語りライブの経験もまだ浅い頃。

なかなか自分が思い描く理想のライブが出来ず、日々悔しい思いをしながらライブをしていた頃です。

 

まあ、今でもそういうことは多いですけどね・・・。

 

ともかくそんな頃に出演したブッキングライブで、その日のトリが迫水さんでした。

彼の演奏は、その日の誰の演奏よりも素晴らしく、そしてその日のライブが全部迫水ワールドに塗りつぶされてしまったかのようでした。

 

しかし、素直に感動すればよかったのですが・・・

恥ずかしながら、その日やましんは自分の演奏が今ひとつだったのもあって、とにかく情けなさと悔しさでいっぱいだったのでした。

そんな複雑な思いで、目の前で繰り広げられている素晴らしいはずの演奏を、素直に受け入れることができなかったのです。

 

そして悔しさとみじめさのあまり、さっさと荷物をまとめて帰ろうとしていました。

でも、黙って帰るのはあまりに失礼なので、帰り際に形だけの挨拶…「どうも、お疲れさまでした」と声をかけました。

すると彼はしっかりと目を見て、「京都の方ですか?」「◯◯な曲を歌うんですね」等、爽やかに話しかけてきてくれたのです。

 

やはり出来るミュージシャンは懐が深い^^;

自分の小ささを思い知ったと共に、もう一度、素直な気持で彼の歌を聴いてみたいな、と思い直したのでした。

 

 

そして今年の始め頃・・・

何気にFacebookをみていたら、「Live & Bar 13」のブッキングライブの出演者に、迫水さんの名前があるではないですか!

迷わず出かけました。

 

福井でのライブは初めてのようです。

そして、その日の他の出演者は地元の馴染みの人達ばかり。

つまり、お互いがよく知っている仲間同士みたいな感じでした。

そんな中、迫水さんは一人でぽつんと客席にいて、静かに様子を見ている感じで…。

 

多分、覚えていないだろうな…と思いつつ、タイミングを見計らって声をかけてみました。

 

急に声をかけられたことに少々驚いた様子でしたが、

「実は以前、ご一緒したことがあるんですよ。モダンタイムスで…」

そう言った瞬間、「あ!」と声をあげて表情が変わりました。

 

まさか自分のことを知っている人がここにいるなんて、思ってもみなかったのでしょう。

かなり驚いた様子で、

「あの日のことはよく覚えていますよ。◯◯さんも一緒でしたっけ…」

などと話が弾んだのでした。

 

その日は一人の客として、じっくりと彼の演奏を楽しむことが出来ました。

買って帰ったCDもとても素晴らしく、何度も繰り返し聞いています。

そして再会を誓いあい、それから約半年。

 

また彼が福井にやってくるということで、再び出かけていきました。

 

 

で、ようやくここからが本題・・・

(前ふりが長い!!)

 

この日、実はあまり環境がよくありませんでした。

というのは上の階では、DJパーティーか何かをやっていたようで、常時その音が漏れてきていたのです。

かなり重低音が響いていて、壁が振動する程。

この日は特に大きな音を出していたのでしょう。

静かなアコースティックサウンドが負けてしまう程の音漏れです。

 

ただの話し声や車の音などの雑音ならまだしも、向こうから聞こえてくるのも音楽です。

演奏者にとってもやりづらいし、聞いている側も気になります。

 

特に迫水さんの場合、曲によっては本当に静かに、繊細なギターの音を出すし、また最後の曲に至っては生音で演奏していました。

 

ミュージシャンによっては、苦情を言いたくなるレベルでしょう。

またはMCで、「上がうるさいよね」などとネタにしたくなるレベル。

 

だけど、彼は一切そのことを気にしていないような素振りで演奏を続けました。

 

もちろん、気にならないはずはないでしょう。

だけどそこで愚痴を言ったり、気にしている様子を見せたりしてはいけないんです。

 

そういう姿を見せることによって、お客さんの意識もその騒音のほうに向いてしまうからです。

 

お客さんを自分の演奏に集中させるためには、まず演奏者自身が自分自身の演奏に集中しなければならない。

 

・・・そんなことを、その日のステージで彼は教えてくれたような気がします。

いや、教えるつもりなんてないでしょうけどね(笑)

 

以前、このブログで、騒がしいお客さんや出演者などの話を書きました。(こちら

もちろんそういうことのないように、お店側や出演者は気をつけるべきですが、やはり、ステージ上では、徹底的に演奏に集中することが大事なんだと思うんです。

 

ステージ上で緊張しないようにするためには(こちら)・・・なんてことも書いたけど、それも同じ。

緊張していようが、お客さんの目が気になろうが、とにかく自分の演奏に入り込んで集中する。

一番大事なことはそのことですね。

人の目や周りのザワザワを気にしている隙もないほどに、没頭するということ。

 

優れたミュージシャンは、皆そうしているんだなということを改めて思ったわけです。

 

 

ところで、その日の迫水さんのライブも素晴らしかったわけですが、わずか30分程度のブッキングライブではもったいないくらいです。

そんなわけで、次はもっと彼をフューチャーしたライブを福井で・・・と思うのです。

 

そして再び、やましんも同じステージで堂々と演奏したい。

その件については、既に本人とも話をし、来春、やましんの企画で実現させる方向で進んでいます。

ご期待ください!!

 

迫水秀樹ホームページ