弾き語りライブ初心者のためのPA(音響)の話

やましんは若い頃に、PAアシスタントの仕事をしていたことがありましてね。

ごく短い期間だったけど。

しかも当時を振り返ってみると、ほんと出来の悪いアシスタントで、全然仕事を覚えないし、業界にも馴染めなかったしで、ダメダメでしたね〜(汗)

 

それでも、今こうしてライブ活動をしている中で、当時の僅かな経験が少しは役立っているかとは思います。

しかも最近は、自主企画のイベントや、参加するイベントの現場でPAのお手伝いをする機会も度々あります。

 

 

まぁそんなこんなで、ちょっとPAのことについて書いてみますね。

ライブ経験がまだ浅い人向けの話です。

専門的なことは本物の専門家に聞いてください(笑)

 

 

(1)PAさんとのやりとりについて

PAってのは、ライブ会場で楽器の音や声の最終出口なわけです。

音をマイクとかで拾って、音質や音量バランス調整して、出してくれるのがPAオペレーターさん(以下、PAさん)。

 

なので、よくわからない人は、基本的にPAさんの指示をちゃんと聞きましょう。

逆に、わからないことは素直にPAさんに聞きましょう。

変にわかったフリをしたりするより、全然わからない素人感丸出しのほうが、逆に親切にしてもらえる可能性が高いですよ。

 

(2)モニターのチェック

多くの場合、ライブ会場では客席に向けられるスピーカーとは別に、ステージ上で自分達に向けられているスピーカーがあります。

それは演奏者が自分達の音を聞くためのスピーカーで、「モニター」「返し」とか呼ばれているやつです。
(小規模のライブだとモニター無しの場合もあります)

グループやバンドの場合だと、もちろん自分の音以外に、他のメンバーの音もそこから聞こえます。

 

リハーサルの時には、そのモニターの音をチェックしましょう。

ちゃんと、自分の声や音が聞こえるかどうか。

大きすぎたり、小さすぎたりして演奏しづらくないかどうか。

 

ちなみに、リハーサルっていうのは、決して練習の場ではありません。

音作りの場、「サウンドチェック」を主な目的とする場だと考えましょう。

なので、ダラダラと曲を演奏していたりすると迷惑がられます。

特にPAさんとしては、アップテンポの曲やスローな曲、演奏形態の違う曲があれば、それらの曲に合わせた音をチェックしておきたいのです。

限られた時間の中で、それぞれの曲の一部をやってみる、というのが理想。

 

たとえば、ギター弾き語りだったら、ピックで激しくストロークする曲と、アルペジオで静かに歌う曲とでは、音量に差が出ますよね。

声の出し方も違うでしょう。

なので、「激しめの曲をやってみます」「続いて静かめの曲をやってみます」などとPAさんに伝えて、やっておくと喜ばれます。

 

グループの場合だと、コーラスが入る曲、キーボードが入る曲…など、それぞれチェックしておくといいですね。

 

その上で、「もう少しギターの音をあげてください」とか、「ボーカルの音をもう少し下げてください」とかの指示を出しましょう。

もちろん、特に気にならなかったら「これで大丈夫です」と伝えればOK。

 

大事なのは、丁寧な口調で伝えることです。

「これで大丈夫です、ありがとうございます」…というように。

 

たまに勘違いしている人がいるんですよ。

ステージに立つと、偉くなったように感じてしまうんでしょうか・・・

PAさんはミュージシャンのシモベではありません(笑)

PAさんなくしてライブは成立しない、ミュージシャンには出来ない重要な任務をしてくれている人だ、ということを忘れないように。

 

プロのドキュメンタリー映像なんかで、「全然俺の音が聞こえねぇよっ!」とか、キツい言い方しているミュージシャンとか、見たことないですか?

ちょっとカッコいいようにも見えるけど、あり得ませんから、普通の現場では・・・

あれは超有名大スターに限っての話…
(しかも現場では嫌われてたりして)

 

一般的にPAさんは、いろんなところでいろんなミュージシャンを見てきている経験豊富な人であることも多いです。

むしろ初心者のうちは、PAさんからいろいろ教えてもらうつもりでいた方がいいかと思いますよ。

・・・まぁ、中には面倒くさい人もいますけどねぇ(汗)

 

 

(3)音作りと、リハーサル時について

以上はモニターの音作りの話。

では、客席に向けられるスピーカーの音はというと、これは基本的に、PAさんにお任せするといいでしょう。

特に音にこだわりのある人、ベテランの人なら話は別ですが、初心者のうちで、よくわからない人は、お任せしてしまっていいと思います。

 

そのかわり、できるだけ他の人のリハーサルも聞いて、PAさんとのやりとりや音の変化、違いなどを実際に耳で聞き、目で見ながら勉強するといいと思いますよ。

 

自分のリハが終わったら後は知らない・・・じゃなくて、他の人のリハから学ぶこと、本当に多いです。

グングン成長する人って、やっぱりこういうところをしっかり見ている人だと思うんですよ、経験上。

 

(4)プラグの抜き差し

あと、ステージ上でよくある注意点は、プラグの抜き差しですね。

ギターやキーボードなどのプラグの抜き差しは、PAさんに確認してからにしてください。

PAさんのほうでボリュームが上がったまま抜き差しすると、「ボンッ」と大きな音がしてしまいます。

 

これは単にビックリするだけでなく、機材の故障にもつながりますので、「抜いてもいいですか」とか、プラグを指差したりして、PAさんに合図を送ってください。

こういうことも、慣れた人は当然のようにやってますから、人のリハを見ていると分かると思います。

 

それから、はじめのうちは、ギターやキーボードをどこにつないでいいかが分からないものですよね。

これも素直にPAさんの指示に従いましょう。

多くの場合、『DI』と呼ばれる小さな箱形の機材に繋ぐ場合が多いです。

 

あと、楽器を繋ぐシールド(ケーブル)は、必ず持参しましょう。

会場やPAさんのほうで用意してくれる場合もありますが、楽器の一部として、自分が使う分は持っていくのがマナーだと思います。

 

 

(5)ヴォーカルの声をきちんとマイクに乗せるには

 

最終的にどんな音を出してくれるかは、PAさんの腕次第のところがあるんですが、とはいえ、PAとは演奏者の声や楽器の音を拾うことしかできません。

元の音がよくないとどうにもならないわけです。

まぁ、歌や演奏の技量がまだ未熟なのは初心者なら仕方ないにしても、ちょっとしたコツで、「PAに乗りやすい音」に変化させていくことはできます。

 

まず、ヴォーカルの人は、基本的にはマイクに近付いて歌いましょう。

そしてできるだけマイクの正面に口を持っていくこと。

多くのボーカル用マイクは、その前提で作られています。

ただ、大きな声を出す時には離していく・・・これは、プロのボーカリストの映像などによく見られるシーンなので、研究してみるといいと思います。

 

最初からマイクからの距離が遠かったり方向がズレていたりすると、カリカリ・カスカスの音になってしまうんです。

しかも音量が稼げない。そこでPAのほうでヴォリュームを上げると、そのカリカリ・カスカスの音域ばかりが強調されたり、ハウリングを起こしやすくなったりします。

 

できるだけ、普段からスタジオでマイクの使い方を練習しておきましょう。

そういう面では、カラオケではあまりいい練習にならないと思います。カラオケマイクは少々特性が違うし、リバーブ・エコーが強くかかり過ぎているので、お勧めしません。

 

(6)ギターの音をきちんとPAに乗せるには

(2)でも書きましたが、アコースティックギターは弾き方によって音量に差が出やすい楽器です。

指で弾くと音は小さく、ピックで弾くと大きくなる。

だけど、この差があまり大きくないほうが理想です。

 

というより、指で弾く際に、しっかり弦を弾いていない人が意外と多いんです。

撫でるように弦を弾く癖のある人です。

こういう人の音は、本当にPAで拾いにくいです。

音のアタックも弱く、サスティーン(伸び)も弱い。

普段から、なるべくしっかり弦に指を当てて、ハッキリした音を出すような練習をしておきましょう。

 

撫でるように弾く人は、生音では気にならないかもしれませんが、PA(やアンプ)を通してみると、指が弦を擦る「カサカサ」とした音が目立ちます。

PAで音量を補うためにボリュームを上げると、このカサカサ音ばかりが目立ってしまいます。

その他、余分な反響音も増えてノイズ、ハウリングのリスクも高まります。

 

中には、ストロークの際にも、恐る恐るピックで撫でるように弾く人が目立ちます。

これらはPAうんぬんというより、普段の練習の上での話ですね。

やはり誰か上手い人に日頃からチェックしてもらうといいと思います。

 

あと、特にエレアコのピックアップは、出力が弱いものが比較的多いです。

ボディに貼付ける安いタイプのものや、電池を使わない「パッシブ」タイプのものなどは特に弱いですから、注意が必要です。

楽器屋さんや機材に詳しい人によく相談しましょう。

 

まとめ

というわけで、できるだけ専門用語を使わず、初心者向けに書いたつもりです。

とにかくわからないことは、その場にいるPAさんに謙虚に聞くこと。

そうすれば、だいたいのことは何とかなります。

 

そういう経験を通して、だんだんとPAと上手に付き合っていけるようになるはず。

専門的なことは、本職のPAさんに任せておけばいいわけだから。

 

弾き語りをする人も、普段家で練習するだけでなく、できるだけ、音響機材のあるスタジオに入って練習をするといいと思います。

あとは、オープンマイクなどに参加して、PA機材を通して音を出す経験を積むこと。

できればPAさんと仲良くなって、いろいろなことを教えてもらえるようになると理想的ですね。